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2.献体登録と献体の実行

 

どこに申込むのか

 献体篤志家団体(献体の会)または医科および歯科の大学へ申し込むのです。申込み先は大学病院ではありません。
あなたのお住まいの都道府県にある医科大学(大学医学部)か歯科大学(大学歯学部)、または、献体の会にお問い合わせ下さい。団体や大学によって多少手続きの形式が違います。

献体登録の申込書

 献体の会または医科および歯科の大学に請求すれば申込書を送ってもらえます。電話で請求されても結構です。
この申込書に必要なことを記入し、捺印したうえ、献体の会あるいは大学へお届け下さい。(郵送可の場合もあります。詳細は各団体・大学にお問い合わせ下さい。) 肉親者の同意の印をもらうことが大変な手間となることもありましょうが、「肉親の同意」の項にありますように重要なことなので、是非とも同意を得ておいて下さい。
尚、「同意の印」は、献体の会または大学から届く申込み用紙の署名欄に捺印をして下さい。

肉親の同意

献体登録には肉親者の同意が必要!!
生前、献体登録をしておられても、死後、実際にその意志を実行できるのは、ご遺族(肉親の方がた)であって、申込み者本人ではありません。したがって、ご遺族の中に一人でも反対がありますと献体は実行されず、その遺志が生かされないことにもなりかねません。
そのため、献体登録をする時にあらかじめ肉親の方々の同意を得ておくことが大切です。また、登録後も、できるだけ多くの身近な人達に理解しておいてもらうよう、その旨を伝えておくことが必要です。

肉親の範囲

 登録にあたって、同意を得ておいていただく肉親は、配偶者および、同居別居を問わず親、子、兄弟姉妹などを指します。ことに親族中で発言力の強い方の同意を得ておくことは特に必要です。
肉親の範囲については、献体の会または大学にご確認下さい。 身寄りのない方の場合も含めて、くわしいことは全て献体の会または大学にご相談下さい。

病気や障害、また、手術をした場合にも献体はできるか

 解剖学実習は、専門家の指導のもとに行われますので、生前の病気や手術のあとなどがあっても、ほとんどの場合、支障はありません。ただし、一部の感染症でお亡くなりになった場合、献体をご遠慮いただくことがあります。詳細は各団体・大学で異なりますので、ご心配な方は直接ご相談下さい。

臓器提供をご希望の場合
正常解剖には眼球や腎臓などの臓器が揃ったご遺体がより望ましいのですが、アイバンクなどへの登録も同時に希望される場合は、同時登録を受ける所と受けない所がありますので、献体の会または大学にご相談下さい。
献体登録可能な年齢は各大学により違いがありますが、ご高齢の方が優先される傾向がありますので登録ご希望の大学にお問い合わせ下さい。

会員証(献体登録証)

 入会申込書(献体登録申込書)を提出しますと、会員証(献体登録証)がもらえます。その会員証には、献体先大学名と死亡時の連絡方法などが書かれていますので、大切に保存しておき、家族や身近な方々にもよく知らせておくことが必要です。旅行の時などには、不慮の事故にそなえて、会員証を身につけておくことも大切なことです。
但し、遠方に転居なさった場合には、最寄りの大学にあらためて登録をお願いする場合がありますが、その大学の事情もありますので事前にお問い合わせ下さい。

献体の実行

 献体登録者(会員)が死亡された時、ご遺族あるいは身近な方は、会員証に書かれた連絡先(献体登録大学)へ、お電話下さい。その際、葬儀の日取り、その他のご遺族側のご予定、ご希望なども含めて、ご遺体の引取りの日時や手順を大学側と相談して下さい。

葬儀を済ませてからでよいか

 通夜・告別式など、通常の葬儀を行うことは、献体するうえで、少しも障害とはなりません。通常、葬儀のあと、ご遺体は出棺して火葬場に向かうことになりますが、献体される場合は、火葬場でなく、大学に運ばれる点が違うだけです。また、献体の場合は、次に述べられているような理由で、ご遺骨が戻るまでに時間がかかります。それまでの間、遺髪や遺爪をおまつりになりたい方は、あらかじめ大学にご相談下さい。

大学へのご遺体移送費と火葬費は、大学で負担いたします。

遺骨返還の時期と方法

 献体されたのち、ご遺骨がご遺族に返還されるまでの期間は、大学によって差がありますが、普通は1〜2年、長い場合は3年以上かかることがあります。これは、次のような理由によるものです。

  1. 防腐処理等の解剖準備期間として3〜6ヶ月くらいが必要です。
  2. 実際の解剖学実習期間として通常3〜7ヶ月ぐらいを必要とします。
  3. 実習は大学ごとに決められた時間割によって行われるために、その年の実習に間に合わない場合には翌年の実習まで保管されることになります。
  4. その他、おあずかりしているご遺体の数の状況によって返還までの期間がかわります。

 解剖学実習終了後、ご遺体は一体ごとに大学側で丁重に火葬し、ご遺骨をご遺族にお返しいたします。なお、いずれの大学でも、献体された方々のために、大学の公式行事として毎年慰霊祭が行われています。

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